西日本図書館学会
平成26年度秋季研究発表会

期 日: 2014年12月6日(土)13:55~17:30
会 場: 島根大学 松江キャンパス 教養講義室棟1号館102室(島根県松江市西川津町1060)
共 催: 島根大学附属図書館
後 援: 島根県大学・高等専門学校図書館協議会、鳥取県大学図書館協議会
参加費: 不要(無料)

13:15 受付

13:55 開会

14:00 私立図書館の運営について−松江市「曽田篤一郎文庫」の試み−(森田一平 「曽田篤一郎文庫応援団」理事・宍道勉 鳥取大学等非常勤職員)

松江市雑賀町にある「曽田篤一郎文庫」は2003年3月に個人が私財を投じ民家を改造し開設した私立図書館である.7年間に亘り新刊図書購入費、人件費そのた運営に関わるすべてを負担し運営されてきた後,2010年からボランティアによる「同文庫応援団」が結成され運営を引き継いで現在に至っている.その経緯と応援団活動を報告し,「図書館法」第2条第2項に掲げるいわゆる私立図書館の運営の難しさと新しい方向を論ずる.

14:30 首長権限と図書館行政(田中伸樹 桃山学院大学大学院経営学研究科博士前期課程)

地方自治法の補助執行、地方教育行政法の職務権限の特例の規定等を利用し、一部の地方公共団体で図書館行政を教育委員会から首長部局へ移管する動きがある。教育の中立性などから懸念する向きがある。しかし図書館行政の首長部局への移管は、総合行政という観点からすれば、新たな図書館像を構築できるようにも思われる。公立図書館の首長部局移管に伴う、公立図書館の規範上、事実上の存在構造の変化とその可能性について論じる。

15:00 第二次世界大戦前日本に移入されたレファレンスサービス:日本図書館学校におけるレファレンス教育を通しての検証(前川和子 大手前大学教授)

日本では第二次世界大戦前に、レファレンスサービスをアメリカより学び移入していた。その思想の受容とともに、一部実践もみられた。戦争直後、慶応義塾大学文学部に設立された日本図書館学校において、レファレンスを担当したF. チェニーにより当時アメリカの最新のレファレンス教育が行われた。その教育内容・使用された教材などを通して、戦前に移入されたレファレンスサービス思想を検証する。

15:30 休憩

16:00 図書館ボランティア活動における学生ボランティアの学びの構造とその意義 —短期大学図書館のボランティア活動を事例に— (木村修一 北海道武蔵女子短期大学講師)

北海道武蔵女子短期大学附属図書館を地域に開放する「武蔵としょかんまつり」は、学生による図書館ボランティアを中心に進められる。学生の自己評価をもとにボランティア活動の学びとはいかなるものかについて、第一にボランティア活動において自発性をどのように発揮し、社会性をどのように感じ取ったのか、第二に対象、自己、他者それぞれとの対話がどのようになされたのか、を検討することを通じて明らかにする。

16:30 マイクロ・ライブラリーの社会的役割:まちライブラリーの実践を踏まえて (礒井純充 まちライブラリー提唱者 一般財団法人森記念財団普及啓発部長・宍道勉 鳥取大学等非常勤職員)

発表者自らが提唱し、実施しているマイクロ・ライブラリーの一つ、まちライブラリーの活動概況を発表する。特にカフェ、ギャラリー、お寺、病院、自宅、オフィスなど全国120カ所に広がっている様々な事例を紹介する。また全国に広がる私設図書館のフォーラム「マイクロ・ライブラリーサミット」の実績を踏まえて、これからのマイクロ・ライブラリーの社会的役割についての考察と課題についてもふれる。

17:00  和古書資料組織化のRDA適用における基本的課題(山中秀夫 天理大学総合教育研究センター教授)

RDAは2010年6月に公表され,LCでは2013年3月31日より適用が始まった。NDLでも外国間の洋図書に対し2013年4月1日よりRDAの適用を開始した。今後,平成29年度のNCR新規則制定の際には,和古書資料もその対象となると考えられる。現在公開されている資料から,RDAを和古書資料に適用した際の基本的な課題について,基盤となるFRBRが規定する実体と記述の関連などを中心に考察する。

17:30 閉会

閉会後、附属図書館見学会を予定(30分程度、希望者)

19:00 懇親会 「ビストロ庵タンドール」(会費4,000円)
松江市朝日町484-4  TEL 0852-67-5550  松江駅(北口)から徒歩約3分

 

*研究発表会場(島根大学松江キャンパスへのアクセス方法については、
島根大学松江キャンパス交通アクセス( http://http://www.shimane-u.ac.jp/access/ )
キャンパスマップ(http://www.shimane-u.ac.jp/campus_maps/map_matsue.html)をご覧ください。

*お問い合わせは下記事務局までお願いいたします。

西日本図書館学平成26年度秋季研究発表会事務局
石井大輔(島根県立大学短期大学部)
〒690-0044 島根県松江市浜乃木7丁目24-2
TEL 0852-26-5525(代表)
mail:d-ishii@matsue.u-shimane.ac.jp